過活動膀胱

過活動膀胱について

過活動膀胱過活動膀胱は、「急に我慢できないほど強い尿意が起こる」「急な強い尿意でトイレまで間に合わず漏れてしまう」「頻尿や夜中に何度も目覚めてトイレに行く」といった症状が現れる病気です。最近行われた調査では、こうした症状は40歳以上の8人に1人が経験しており、年齢を重ねるごとに増えていって80歳を超えると40%近くの方が過活動棒状の症状を持っていると報告されています。
過活動膀胱の患者数は800万人以上いると考えられ、男女ともに珍しくない病気です。

過活動膀胱の症状

代表的な症状は、尿意切迫感、夜間頻尿を含む頻尿、そして切迫性尿失禁です。

尿意切迫感

急に強い尿意が起こって、漏れそうで我慢できずトイレに駆け込むといった症状です。

頻尿・夜間頻尿

トイレに行く一般的な回数は、日中5~7回、睡眠中の夜間は0回とされています。日中8回以上トイレに行くようでしたら頻尿、夜間に1回以上起きてトイレに行くようでしたら夜間頻尿が疑われます。

切迫性尿失禁

急に強い尿意が起こる尿意切迫感があり、トイレに間に合わずに尿漏れしてしまうことがあります。こうした症状は日常生活にさまざまな支障を及ぼす可能性があり、トイレのことが気になって旅行などを十分楽しめなくなることも起こります。早急な治療が必要な病気が症状を起こしている可能性もありますので、泌尿器科の受診をおすすめしています。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の原因には、神経因性と非神経因性に分けられます。非神経因性のものが多く、実際にはさまざまな要因が絡み合って発症し、原因が特定できないケースもことも珍しくありません

神経因性

膀胱や尿道は神経を通じて脳と信号をやりとりして、尿をためる蓄尿と尿を排出する排尿をコントロールしています。こうした信号をやりとりする回路に何らかのトラブルが生じて過活動膀胱の症状が現れている状態です。原因となるのは、脳や脳血管の障害(脳卒中・脳梗塞・パーキンソン病など)、脊髄の障害(脊髄損傷・多発性硬化症・脊髄腫瘍など)といった疾患です。

非神経因性

骨盤底筋のゆるみによるものと、それ以外のものに分けられます。

骨盤底筋

骨盤底筋は腹部の内臓を支えている分厚い筋肉や靭帯でできた組織で、子宮や膀胱、尿道も骨盤底筋に支えられています。また尿道を締める・ゆるめる尿道括約筋も骨盤底筋群の筋肉です。この骨盤底筋は筋肉ですから加齢により衰えますし、妊娠や出産でダメージを受けることがあります。それによって排尿の機能がうまく働かなくなって過活動膀胱の症状が現れています。

それ以外の原因

腎臓から尿道までの尿の通り道である尿路に問題があるケース、上記以外のなんらかの原因で膀胱が過敏になっているケース、そして原因が特定できないケースがあります。

検査と診断

問診

検査と診断お困りの症状について、女性の場合は妊娠・出産経験の有無、そしてこれまでどういった病気にかかったかなどをくわしくうかがいます。その後、診断や重症度を調べるための質問票に基づいてご質問します。質問票には過活動膀胱の有無を調べるスクリーニング質問票、過活動膀胱の重症度を調べる症状質問票(OABSS)があります。

検査

尿検査、血液検査、超音波(エコー)検査を行います。超音波検査では膀胱などの形やがん・結石の有無などを調べ、残尿量も測定できます。
頻尿や尿意切迫感、尿意切迫性尿失禁といった症状は、幅広い泌尿器科の疾患で起こることがあります。その中には早急に適切な治療が必要な疾患もありますので、検査ではこうした症状を起こしている病気の有無を調べます。他に、必要があれば尿流測定、パッドテスト、ストレステストなどを行うこともあります。また、排尿の状態をより正確に把握できるよう、排尿日誌をつけていただくこともあります。

過活動膀胱の治療

症状を軽減する薬物療法、機能が弱くなっている膀胱や骨盤底筋のトレーニングなどの行動療法、電気や磁気などによる電気刺激治療などがあります。また当院では高周波治療器気サーミバーによる治療も行っております。

薬物療法

症状を軽減させるために一般的に行なわれている治療法です。過活動膀胱に有効な薬剤はいくつかありますが、効果や副作用もそれぞれ異なるため、患者様に生活に合わせてお薬を処方いたします。

行動療法

膀胱や骨盤底筋を鍛えることで排尿障害を緩和させることが目的です。膀胱訓練や骨盤底筋体操を行います。ご自宅でも簡単に行なえるトレーニングです。

電気刺激治療

電気や磁気の刺激を利用して、骨盤底筋の収縮力を強化させたり、膀胱や尿道の神経を調整する治療法です。過活動膀胱だけでなく、腹圧式尿失禁にも効果があります。

0944-75-1105
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