女性に多い尿トラブル

女性の排尿トラブルについて

女性の排尿トラブル「トイレが近い」「夜中にトイレに行きたくなって目覚める」「尿が漏れる」「尿の勢いが弱くなった」「排尿に時間がかかる」「いきなり強い尿意が起こる」「排尿痛がある」など、排尿トラブルでお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。
日本排尿機能学会では排尿に関する問題を抱えている方の数を調査して、夜間頻尿4,500万人、昼間頻尿3,300万人、尿の勢いが弱い1,700万人、尿漏れ1,000万人がそれぞれ症状を抱えていると報告しています。こうした症状は年齢を重ねるごとに発症率が上がり、60歳以上は78%が排尿トラブルを抱えていると指摘されています。
女性は尿道が短く、妊娠・出産を経験するため、膀胱炎、頻尿、尿漏れなどが多い傾向があります。

頻尿

何度もトイレに通ってしまう、尿の回数が多い、トイレが近いといった症状です。排尿回数は個人差がありますが、一般的に日中の排尿回数が8回以上になると頻尿が疑われます。回数だけで考えるのではなく、以前に比べてトイレに行く回数が増えたと感じるようでしたら、頻尿の可能性があります。

夜間頻尿

一般的に、睡眠中はトイレに起きることがないため、寝ている間におしっこがしたくて目覚め、トイレに行く場合は夜間頻尿とされます。排尿に関する症状としては、この夜間頻尿が最も多く、40歳以上の男女約4,500万人が夜間頻尿の症状を持っているとされています。発症頻度は加齢とともにさらに上昇していきます。
良質の睡眠が途切れてしまうため、さまざまな支障につながる可能性がある症状です。

尿漏れ

尿意がない状態で意思に関わりなく尿が漏れてしまう症状です。咳やくしゃみをした際に起こる腹圧性尿失禁は特に女性の発症が多くなっています。下着が濡れる、匂いが気になる、衛生上にも問題があるなど、日常生活にさまざまな支障を及ぼします。命に関わるような病気ではありませんが、適切な治療を受けることで生活の質を向上させることができます。あきらめたり、恥ずかしがらずに受診して、快適な生活を取り戻してください。

過活動膀胱

急激に強い尿意を感じて漏れそうで我慢できない尿意切迫感、尿意切迫感があってトイレまで間に合わずに尿漏れしてしまう切迫性尿失禁(尿漏れ)、日中のトイレが近い頻尿や夜中眠っている時にトイレに起きる夜間頻尿などの症状を起こすのが過活動膀胱です。何らかの原因によって膀胱や尿道のコントロールがうまくできなくなっていたり、膀胱が過敏になって起こります。

膀胱炎

腎臓で作られた尿を排尿までためておくのが膀胱です。膀胱炎は、膀胱内部の粘膜が炎症を起こしている状態で、主に細菌感染によって起こります。女性は男性より尿道が短くて太く、尿道口と肛門が近いことから膀胱炎を発症する方がとても多くなっています。特に20~30歳代の若い女性に多い傾向があります。代表的な症状には、頻尿、排尿痛、尿の混濁などがあります。

間質性膀胱炎

原因が細菌の感染ではない炎症性の膀胱炎で、原因はまだはっきりとわかっていません。頻尿や強い尿意、尿がたまってきた時に起こる下腹部の痛みなどが主な症状です。
泌尿器科専門医以外では過活動膀胱や心因性のものと診断されてしまうことがあり、適切な治療を受けられずに悪化させてしまうことがあります。薬物療法で十分な効果が得られない場合には、水圧拡張などの治療を行う必要がありますので、疑わしい症状があったら必ず泌尿器科専門医を受診してください。

神経因性膀胱

膀胱や尿道と脳をつなぐ神経の障害が原因となってさまざまな排尿障害の症状が現れます。原因には、先天性の病気や子宮や直腸の手術後、脊柱管狭窄症、脊髄損傷などがあります。症状には、尿意を感じにくくなった、いきまないと排尿できない、尿漏れなどがあります。放置していると膀胱が固く縮んでしまう可能性がありますし、腎機能が低下することも考えられますので、できるだけ早く受診してください。

0944-75-1105
一番上に戻る