女性に多い尿漏れ
尿道が短い
男性の尿道は長くてS字状になっているため尿漏れを起こしにくいのですが、女性の尿道は太くて短く、直線的なので尿漏れを起こしやすい傾向があります。
妊娠・出産
妊娠中は大きくなってくる子宮に圧迫されるなどにより、尿漏れを起こしやすい時期です。また、腹圧性尿失禁は主に骨盤底筋が弱ってくることで発症しますが、分娩は骨盤底筋を引き伸ばしてしまうため出産後に尿漏れが起こりやすいのです。出産後、ある程度の期間が過ぎれば尿漏れをしなくなっていきますが、骨盤底筋へのダメージが残っていると40歳を超えたあたりから腹圧性尿失禁の症状が再び現れやすくなります。
女性に多い尿漏れのタイプ
尿漏れはいくつかのタイプに分けられますが、女性に特に多いのは腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁です。
腹圧性尿失禁
ジャンプ、咳、くしゃみ、重いものを持ち上げるなどお腹に力を入れた拍子に尿が漏れてしまうタイプです。40歳以降の女性に多いタイプの尿漏れで、骨盤底筋が弱ってくることが主な原因です。
切迫性尿失禁
突然、強い尿意が起こってトイレまで間に合わずに漏れてしまうタイプです。過活動膀胱で膀胱が過敏になって起こっている場合がほとんどですが、脳血管障害、男性の前立腺肥大、女性の骨盤臓器脱などが原因になっていることもあります。
尿漏れを起こしやすい方
出産経験がある
分娩は骨盤底筋にダメージを与えるため、出産を経験していると腹圧性尿失禁を発症しやすく、特に2回以上の出産を経験していると発症頻度が上がります。
肥満している
肥満していると腹圧が常に高い状態ですから、腹圧性尿失禁のリスクが上がります。肥満している方が減量することで腹圧性尿失禁の症状が改善するという研究結果も報告もされています。
尿漏れを起こすタイミング
- 咳、くしゃみ
- 大笑いした時
- 運動時
- 重いものを持ち上げようとして
- 冷え、冷たい水に触れた時
腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみをした時に尿漏れするという症状がとても多くなっています。また、スポーツをしている時、特にジャンプした際に尿漏れが起こることがよくあります。
切迫性尿失禁では、冷えや冷たい水に触れたなどによって強い尿意が突然起こってトイレに間に合わず尿漏れしてしまうことがあります。
尿漏れは骨盤底筋が弱ってきているサイン
内臓を支えている骨盤底筋は、排尿のコントロールでも大きな役割を果たしています。骨盤底筋は腹圧がかかった時に尿道口をギュッと締めて尿漏れを防いでいます。骨盤底筋が弱くなってゆるむと腹圧がかかった時に尿道口を締める力が弱くなり、尿漏れを起こします。尿漏れは骨盤底筋が弱ってきているサインなのです。
骨盤底筋は筋肉ですから、トレーニングで鍛えることができます。毎日、欠かさず骨盤底筋のトレーニングを行うことで、尿漏れの症状を改善していきましょう。